突撃取材!サンシャイン水族館

2019年8月19日日本経済新聞に日焼け止めがサンゴの白化を促進するという衝撃的な記事を見かけました。UV対策製品を取り扱っているエポカルとしても見逃せないニュースです。

そこから、サンゴについて色々と調べ始めました。人の肌を守るべき製品は地球にも優しくなければと思っています。

サンゴ保護の動き

近年、世界中で気候の温暖化、オニヒトデの大量発生、その他さまざまな要因でサンゴ礁が減ってきています。

サンゴ礁は美しいだけではなく、魚たちの生活の場として、大波から守ってくれる防波作用として、また、海の生態系を守るために大切な生き物です。

環境省は、2017年4月23日にサンゴ大規模白化緊急対策会議を開催しました。

日本でもサンゴ礁の白化は大きな問題であり、その会議で「サンゴの大規模白化に関する緊急宣言」が取りまとめられました。

色々調べていくうちに、サンシャイン水族館では、それよりも一足早く、サンゴを守るための活動を行っていることを知りました。

早速サンシャイン水族館にお邪魔して、飼育スタッフの今井さんにサンゴプロジェクトについてお話を伺いました。

サンシャイン水族館 【サンゴプロジェクト】

サンゴプロジェクトとは、危機的状況にあるサンゴ礁の減少を防ぐべく、2006年からサンシャイン水族館が沖縄県恩納村と一緒に進めているサンゴを守る活動のことです。サンシャイン水族館で育て、殖やしたサンゴを海へ還す「サンゴ返還プロジェクト」と、沖縄の海でサンゴを育て、産卵によりサンゴを殖やす「サンゴ礁再生プロジェクト」の二つの柱で活動を行っています。

Q.サンゴは育てるのが難しいのですか?

A.はい、かなり難しいと思います。移植しても、自然環境に適応できない場合や、成長していて突然死んでしまうこともあります。また、飼育水槽では昨日は元気でも、急に状態が悪くなることもあります。

Q.元気がないというのはどうやってわかりますか?

A.サンゴの触手の開き具合で分かることもあります。元気だと大きく開いてお花が咲いているように見えます。

では、サンゴとは一体何者でしょう?

サンゴは樹木のように枝分かれしているものもあり、一見、植物のように見えるのですが、実は動物です。イソギンチャクやクラゲの仲間で、刺胞動物(腔腸動物)に分類されています。

サンゴは、体内に小さな藻(褐虫藻)をたくさん住まわせています。褐虫藻は、植物プランクトンの一種で、光合成をしています。サンゴは体内の褐虫藻の光合成によってエネルギーを得ています。サンゴは「動物」ですが、光合成をするなど「植物」としての性質を持ち、さらに石灰質の骨格をつくり成長していきます。

Q.サンゴは1年でどのくらい大きくなりますか?

A.サンゴの種類や差はありますが、成長が早いものだと1年で約10㎝大きくなります。

Q.サンゴには毒があると聞いたのですが本当ですか?

A.はい、本当です。サンゴはクラゲやイソギンチャクと同じように、刺胞動物の仲間なので毒を持っています。

Q.サンゴは硬いのですか?

硬いものとやわらかいものの2つのタイプに分けられます。現在サンシャイン水族館で飼育している「サンゴ礁の再生~恩納村の海から~」水槽のサンゴはミドリイシと呼ばれる硬い骨格のあるサンゴをメイン種としています。

サンゴを守るためにサンシャイン水族館が行っていることは3つあります。

1. サンシャイン水族館にサンゴ礁の生態系を再現した展示を通して、多くの人がサンゴを知るきっかけを作っています。

2. 2006年より沖縄県恩納村の協力のもとサンゴをお借りして展示・飼育を行い、水槽内で殖やして還す「サンゴ返還プロジェクト」を推進し、2014年より沖縄の海でサンゴを育て、産卵によりサンゴを殖やす「サンゴ礁再生プロジェクト」を開始。

3. サンゴがどのような生き物で、今どんな問題に直面しているのか知ってもらうために、本プロジェクトの活動報告やサンゴ教室など様々なイベントを開催。

サンゴフェスタ開催中

今回《3月5日のサンゴの日》にちなんで、サンシャイン水族館では3月5日~14日まで「3月5日はサンゴの日!サンゴフェスタ」を開催中です。一人でも多くの方に、サンゴについて知っていただくためのイベントを実施しています。

★サンゴキーワードラリー

サンゴと環境問題について知ることができるキーワードラリーです。

水族館を巡ってキーワードを探して台紙を完成させると、ノベルティカードがもらえます。

★サンゴメンテナンスの映像公開

沖縄県恩納村でのサンシャイン水族館飼育スタッフによるサンゴメンテナンスの活動風景をご覧いただけます!

★「1Post 1Plant~サンゴの日フォトコンテスト2021~」 受賞作品のパネル展示

「未来とサンゴプロジェクト」(※1)が開催した「1Post 1Plant~サンゴの日フォトコンテスト2021~」で受賞した優秀作品の写真パネル展示です。サンゴの美しさをぜひご覧ください!

 (※1)サンシャイン水族館、ソフトバンク㈱、㈱ウィルコム沖縄、(一社)恩納村観光協会、㈱水中造形センターで取り組んでいるプロジェクト

飼育スタッフ今井さんのお話

飼育スタッフの今井さんについても、お仕事やその他のことについて伺いました。

Q. 沖縄へはどのくらいの頻度で行かれますか?

A. サンゴのメンテナンス作業や採卵の為に年に2~3回ほど行き、恩納村で管理しているサンゴの成長を確認しています。

Q. サンゴ担当としての大変なことと、楽しいことを教えてください。

A. 動きがあまりないこと、状態悪化の変化に気づくのが遅いと手遅れになってしまうこと…長期飼育が難しいことなど、とても大変です。しかし、わからないから面白いと感じる生き物がサンゴだと思います。そこが楽しいと感じます。

Q. 最後に今井さんの今の目標を教えてください。

A. 水槽でのサンゴの長期飼育と、様々な種類のサンゴを展示し、お客さまへサンゴの魅力を伝えたいです。また現在、減少傾向にあるサンゴをこれからも絶やさないように身近で出来ることを皆様に知ってもらいたいです。

きっといつか、サンシャイン水族館にたくさんのサンゴが見られる時が来ると思います。

次回はサンゴの生態や成長についてお話します。

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