栄養講座ビタミンD③ ビタミンD摂取目安量が変わる!
栄養講座① アスリートを応援する栄養サポートについて
栄養講座② アスリートが行うべき紫外線対策!
栄養講座③ ズバリ~活性酸素対策!
栄養講座④ 具体的なメニューを見ると!?
2020年4月よりビタミンDの摂取目安量が上がります!
2020年4月に厚生労働省が改定する「日本人の食事摂取基準2020年度版」において、
ビタミンDの摂取目安量が、現在の5.5μgから8.5μgまで引き上げられることをご存知でしょうか?
近年、多くの報告により日本では、乳幼児、妊婦、若い女性、高齢者などを中心に、慢性的なビタミンD不足が指摘されています。
以前に比べ、子供においては屋外で遊ぶ時間が減り、高齢者では外出する機会が減り、日光にあたる時間が少なくなっていること、
全世代を通して魚類を食べる機会が減っていることなどがこの背景にあります。
2020年度版の食事摂取基準では、骨折リスクを上昇させないために必要なビタミンDの食事摂取量は、
必要総ビタミンD量から、日照により皮膚で産生される量を引いたものとされています。
必要総ビタミンD量はアメリカ・カナダの食事摂取基準の策定過程にならって15μg/日とされました。
そこから、日照時間から得られるビタミンD量を考慮し、成人に対する食事摂取の目安量として、8.5μg/日が今後、策定される予定です。
新陳代謝を促す亜鉛やオメガ3脂肪酸、抗酸化作用のあるビタミンACE(エース)
新陳代謝を促す亜鉛やオメガ3脂肪酸、抗酸化作用のあるビタミンACE(エース)を積極的に摂ろう
一般に「日焼け」と呼ばれる反応は、まず赤くなり、その後黒くなりますが、それぞれの反応は別物だと考える必要があります。
赤くなるのはサンバーンと呼ばれ、紫外線による急性炎症で、皮膚のやけどです。
ヒリヒリ痛み、ひどいときには水ぶくれを作る場合もあります。
黒くなるのは、そのあとに引き続いて起こる炎症後の色素増強で、サンタンと呼ばれ、さらなる紫外線傷害から皮膚を守る防御反応です。サンバーンによる紅斑は紫外線照射後6時間頃から生じ、24時間にピークがきます。
サンバーンの仕組みについては不明な点が多いですが、大筋として、紫外線を浴びることにより皮膚細胞のDNAが直接的に損傷を受けることが主体で、それに加え、紫外線を吸収した生体成分から発生する活性酸素種が間接的にDNAや細胞膜、細胞内タンパク質に酸化的傷害を与えるためと考えられています。
それをきっかけとして皮膚に炎症が連鎖反応的に起こり、その結果、目に見える日焼け反応が起こります。
そのため、「紫外線対策」「日焼け対策」とは、上記の炎症、活性酸素種の酸化的傷害への対策とも言えます。
炎症を起こした肌には、新陳代謝を促す「亜鉛」や、代謝を促す「ビタミンB群」が必要です。さらに、炎症を抑える働きのある「オメガ3脂肪酸」も欠かせません。
「亜鉛」は牛の赤身肉や貝類、「ビタミンB群」は豚肉や卵、納豆などに含まれています。また、「オメガ3脂肪酸」はアジ、サバ、イワシなど青魚に多く含まれています。
抗酸化作用のあるビタミンは、「ビタミンエース」と呼ばれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEです。
また、ビタミンA、C、E以外にも、サケやいくら、マスなどに含まれるアスタキサンチンやトマト、スイカ、柿などに含まれる「リコピン」にも高い抗酸化作用がありますので、合わせて摂取することをおすすめします。
<ビタミンA(β-カロテン)>
高い抗酸化作用があり、皮膚や粘膜を保護する働きがあります。肌のハリや潤い、弾力を保ってくれます。また、脂溶性ビタミンとなりますので、油と一緒に食べることで吸収率がアップします。炒め物や揚げ物、サラダにしてオリーブオイルをかけたりして食べましょう。
ビタミンAを多く含む食品:レバー、人参、かぼちゃ、トマトなど
<ビタミンC>
抗酸化作用があるだけではなく、メラニン色素の生成を抑え、さらにコラーゲンの補修も行う、肌にとって、とても重要なビタミンです。柑橘類に多く含まれていると思っている方が多いですが、実はさつまいもやじゃがいもなどのイモ類、またはパプリカの方が多く含まれています。ビタミンCは熱で壊れやすいですが、イモ類は糖質に、パプリカはビタミンPという別の物質に守られているため、ビタミンCが壊れにくく、焼いたり、煮込んだりと様々な調理方法で摂る事ができるため、おすすめです。
ビタミンCを多く含む食品:パプリカ、ブロッコリー、りんご、イチゴ、さつまいも、かぼちゃなど
<ビタミンE>
ビタミンEには、末梢血管を広げ、血行を良くする働きもあることから、「若返りのビタミン」とも呼ばれています。血行を良くし、体内の新陳代謝を促すことで、老化の原因となる活性酸素の発生を防ぎます。ビタミンCと一緒に摂ることで、相乗効果が期待できます。
ビタミンEを多く含む食品:サーモン、うなぎ、大豆、アーモンドなどのナッツ類、ごま、アボガドなど