子ども 嫌がる帽子&日焼け止めクリーム
子どもは嫌がる帽子と日焼け止めクリーム。習慣化が大切なUVケア。方法をご紹介です。
こんにちは
お彼岸もすぎ、日差しが強いといっても秋の気配が漂いますね。
これからアウトドアが気持ちいい季節になりますが、
秋には秋のUVケア、です。
ですが、こんなお声も・・・
「子どもに日焼け止めを毎日塗ってあげたいけど、嫌がるし
帽子も暑いから、とすぐにとってしまいます。何か対策はありますか??」
このようなご質問、実はとてもたくさん寄せられます。
幼稚園保育園での保護者様向け講座でも、必ず出る質問です。
子どもが嫌がらないUVケア
子どもに日焼け止めクリームを塗ることや帽子をかぶせることは
慣れていないと難しいですよね。
“お出かけのときには靴をはく” というように習慣化することが一番ですが、
工夫することも大切です。
子どもは不快に思うとしない
子どもは自分にとって不快であることはやりません。
帽子や日焼け止め、不快に思わないものを選ぶことは大切です。
・子どもが不快に思う帽子
→ 帽子のつばで視野が狭まる , 重い, 暑い, カッコ悪い(好みに合わない)
・ 子どもが不快に思う日焼け止め
→ においがイヤ , 塗った感じがイヤ(使用感), 日焼け止めを落とすのがイヤ(お風呂で顔を洗う)
子どもは小さな大人ではありません。子どもは大人よりも視野が狭いですし、ほんの数グラムでも重みを感じます(頸部も筋肉もバランスも発達途中なのです)。そして大人よりも汗をかきますし、大人よりも嗅覚や触覚は優れています。お風呂で顔を洗うのにも、顔にお湯がかかるのがイヤなのは、息を止めるタイミングが分からないからですし、
目を閉じることで不安や恐怖を感じるからです。
このように、子どもに関しては大人の感覚でいてはいけません。
子どもが感じることに耳を傾け、不快に思う原因を明らかにすることで、解決できることは割とあるのです。
子どもが不快に思う帽子
子どもの視野
子どもの視野は、上下左右共に大人の50°~60°くらい狭まると考えてよいでしょう。
紫外線対策だからといって、大人用の帽子を小さくしてかぶせたりしてはいけません。
つばの長さは長すぎず短すぎない(紫外線対策には子どもは5センチ以上)のものを選んであげてください。
また、かぶりが深すぎても視野が狭まり疲れます。また浅すぎても嫌がりますので
試着をするか、お子さんのお気に入りの帽子があればそのサイズを参考に新しいものを選びましょう。
子どもの視力は大人と同じではありません。
6才になり、ようやく大人と同じくらいの視力になります。
ですが、個人差がありますので 1.0未満の子どもも結構いるのです。
3才くらいまでなど、大人が思っている以上に見えていません。
距離感もつかめていないので、やはり頭に載せる帽子には配慮が必要です。
重さ
子どもは、ほんの数グラムでも重みを感じます。長くかぶっていると疲れるので嫌がります。
過度な装飾品や帽子のつばの部分が硬くて重いものは、避けた方がよいでしょう。
大人の自分と同じと思ってはいけません。
子どもは成長発達途中であり、疲れの感じ方も大人とは違うのです。
汗
子どもは大人よりも汗をかきます。
皮膚総面積あたりの汗腺の量が多いためです。
頭に汗をかけばかゆくなる → 掻きたい → 帽子を脱ぎたい
速乾性吸湿性のある生地を使った帽子を選ぶのもよいでしょう。
好み
子どもの好みは大切にしてあげてください。
色の好みなど、それぞれ個性が垣間見えます。
子どもの好みは直観的なものが大きいため、違うものを選んで与えると
とことん拒絶したりします。
親としては、持っている洋服に合うものや、親自身の好み、年齢があがってもかぶれるもの、、などなど
その他多数の要因に左右されて選び、与えがちです。
ですが、子どもの好みは純粋で、まさに“個性”ともいえるもの。
親がその思いを大切にし、耳を傾けることは、子どもの自律性や自主性を育むために実は大切なことです。
子ども自身の「認められた」という承認につながります。
子どもが不快に思う日焼け止め
におい
子どもの感覚は非常に優れています。
自分の体に良いものか悪いものか・・
生まれてきてから外部での生活の中で自分の身を守るためのものですから。
ですので、“無香料”のものが多い子ども用の日焼け止めクリームですが
この“無香料のにおい”にも反応します(大人でも分かりますよね)。
日焼け止めクリームの基材や組成にもよりますが、数あるサンスクリーン剤の中で
子どもが嫌がらないにおいの製品を見つけることは、ひとつのポイントです。
塗った感じがイヤ(使用感)
大人でも塗りなれていないと、あの日焼け止めクリームの“塗った感”、気になりますよね。
先程もお伝えしたように、子どもは快・不快に敏感ですので、まさに皮膚の“塗った感”は違和感を感じるところでしょう。
SPFやPA値が高くなると、紫外線をはじく成分も増え、また塗った効果を維持する成分も増えますので、違和感も増すものが多くなります。また、数値が高くなるにつれ肌は乾燥しますので、かゆみなどの症状がでることもあります。
使用するシーンにもよりますが、肌なじみを考えると数値はなるべく低いものを選ぶとよいでしょう。
また、塗る部分を少なくするために、衣服で覆ったUVケアを併せて考えると良いですね。
日焼け止めを落とすのがイヤ(お風呂で顔を洗う)
顔に水がかかるのをイヤがる子は結構います。
それなのに、石けんで洗ってお湯で流す、なんて「絶対イヤ」・・となりますよね。
大人は “洗顔” という行為の意味を知っていますし、理解していますので、何ともありませんね。
ですが子どもは「煩わしい」以外の何物でもないのです。
それにしても
本っ当に嫌がりますよね(^_^;)
私も苦労したことのひとつなので、、わかります。
その中で、得たものをご紹介です。
・お風呂に入る前にだいたい落とす
私がやったのは、オイル(保湿や洗顔用)を顔にサッとなでて馴染ませ、ホットタオルで拭く。
そのあとお風呂で流すか、軽く絞ったタオルで再度拭く。
これが一番楽でした。。
クリームがオイルと馴染んで浮くため落ちやすい、
ホットタオルだとオイルの油分が残りにくい、
のです。
私が使ったのはエキストラバージンオリーブオイルです。
ベビーオイルも使えますが、オイル分がけっこう残り、油分があんまり残ると肌荒れにもつながるので、
いろんなオイルを試しました。
肌なじみが良くベタつきが少なく、ホットタオルで拭きとりやすい、さらりと使える
エキストラバージンオリーブオイルが最後に生き残りました。
(どのオイルもかぶれなどのアレルギー様症状が出ることもありますので、
初めに使うときはパッチテストをお勧めします。
また、オイルは酸化すると肌荒れの原因になりますので、早めに使い切るか、時間があいたら
新しいものに替えましょう。)
日焼け止め落としシートも売っていますが、“こする”ことは、あまり肌にはよくありません。
これだけでしっかりこすって落とそうとせずに、これでサッと落として、残りはお風呂で、という
使い方をお勧めします。
・カンペキに落ちなくても大丈夫なような、刺激の少ないものを選ぶ
・お母さんとお揃いで、子ども専用洗顔ブラシを与えて一緒にやる
帽子も日焼け止めクリームも、毎日のことですので、お互いにストレスになるようでは良くありません。
ツラくなると、怒ったり、無理やりやったりと、UVケア自体が「イヤなもの」になってしまいますので、
子どもの様子を見ながら、関わっていきましょう。
「~になっちゃうよ」といったような否定的なものではなく「~になれるよ」と肯定的な声掛けをしてあげることもポイントです。
とはいっても、お父さんお母さんも毎日優しく声掛けできるわけではないので、
出来る範囲で、無理強いせずに (^-^)関わってあげてくださいね。
何度も何度も繰り返しますが、子どものUVケアは歯みがきと同じように習慣化が大切です。
いいときもうまくいかないときも、押したり引いたりするうちに自然とできるようになりますので、
気長な関わりがとても大切なのです。
エポカル保健室
増田友美