紫外線とは

​ 紫外線は波長の領域とそれに伴う性質によって、A、B、Cの3つに分けられます。
C領域 紫外線(UV-C)は空気中の酸素分子とオゾン層で完全にさえぎられて地表には届きません。
また、B領域紫外線(UV-B)も同様にオゾン層などにさえぎられて地表に届く量が減りますが、
完全にさえぎられるわけではありません。この地表に届く量がオゾン層の変化に影響される
ことから、現在地表に届くUV-Bの増加が懸念されています。
また、A領域紫外線(UV-A)は、 UV-BやUV-Cに比べて影響は小さいですが、その多くが
地表に届くため、長い時間あたると肌 などに影響があることが懸念されています。

 紫外線は私たちの目には見えませんが、太陽光(日射)の一部であり、基本的な性質は可視
光線と同じです。季節や時刻、天候などにより紫外線の絶対量や日射量に占める割合は変化
しますが、可視光線と同じように、建物や衣類などでその大部分が遮断されます。一方、日中は日陰でも明るいように、大気中での散乱も相当に大きいことがわかっています。
中でも、B領域紫外線(UV-B)は散乱光の占める割合が高くなっています。

太陽は、地球から1億5千万キロメートルも遠く離れたところに存在しています。
太陽光は、太陽内部の水素の有効反応で作り出される光エネルギーの22億分の1がわずか8分足らずで地球に届きます。

太陽から地球上に届く光=日射には、

可視光(可視光線):目に見える光の総称

赤外光(赤外線)

紫外光(紫外線)

が混ざり合って含まれています。

 

紫外線とは、いったいどのようなものでしょうか?

紫外線とは紫外線は、可視光線より波長が短い光です。
紫の外側にある光=紫外線、赤の外側にある光=赤外線と呼ばれます。

紫外線は、さらに紫に近い側から順番に

UV-A:400~315nm(ナノメートル)

UV-B:315~280nm(ナノメートル)

UV-C:280~100nm(ナノメートル)

に分けられます。

UV-Aは、太陽から直接地球上に届いています。
UV-Bは、オゾン層に吸収されるため、オゾン層が破壊されると地上に届く量が増加します。
​UV-Cは、オゾン層に完全に吸収されるので、地上には届いていません。

 

特に肌に影響のあるUV-Bについての特徴

薄い雲では UV-Bの80%以上が透過する。
屋外では太陽から直接届く紫外 線量と空気中で散乱して届く紫外線量がほぼ同程度である。
地表面の種類により紫外線の反射率は大きく異なる (新雪:80%、砂浜: 10 ~ 25%、コンクリート・アスファルト:10%、水面:10 ~ 20%、草地・ 芝生、土面:10%以下)。
標高が 1000 m上昇するごとに UV-B は10 ~ 12%増加する。

年間で見ると、屋内で働く人は屋外で働く人の10 ~ 20%の紫外線を浴び ている。
また、眼へのばく露に限ってみると、 帽子の着用で20%減少する(太陽が高い位置にある時)。
UV カット機能を持った眼鏡やサングラスの着用で90%減少する。

※一般に、ガラスの眼鏡は UV-Bをカットしますが、プラスチックの眼鏡の 場合は “UVカット” 表示のあるものを選びましょう。
また、正面からだけ ではなく横からのばく露もあるので、顔の形に合った眼鏡やサングラスを選 びましょう。

【お勧め図書】

知って防ごう紫外線
太陽紫外線と上手に付き合うために
東海大学総合科学技術研究所 教授 佐々木政子著

​東京慈恵医科大学付属第三病院皮膚科 教授 上出良一著

​参考